天満ナチュラル大サーカス
天満ナチュラル大サーカスにいってきました。
天満ナチュラル大サーカスとは、名前の通りのサーカスではなく、マルシェ。しかしサーカスという名前は言い得て妙である。
趣味の域を超えて、形となって、来てくれた誰かに値段をつけて売る。それは例えばあたたかい食事であったり自作の物品であったり自身の技術であったりする。そして客は満足そうに、笑う。
「自分」がエンターテイナーになるのだ。
なのでこれはやっぱり、「天満ナチュラル大マルシェ」ではなく「天満ナチュラル大サーカス」なのだ。まさしく。
そんなこと、ふつーに生きてたらやらない。
でも、天満ナチュラル大サーカスに出ている人たちは、あんなにたくさんの人たちは、それをやっちゃっている。
「人間、やりたいことがあっても、日程が決まらんと動かへんのよね」
と苦笑いしながら言った彼女は自分の商品を全て売り終わっていた。
今の活動をはじめるきっかけは、自分を追い込むことだった。尻込みしていた自分を奮い立たせ、あるいはエントリーしたりあるいは名刺を作ったりした。するともう、やらざるを得なくなってしまったのだという。
やらなしゃーないよね、とくしゃりと笑った彼女はとても綺麗で格好良かった。
私も生意気に、ジャズトロンボーンをしたり拙いアクセサリーを作ったりと、表現者気取りをしている。そして生意気に「私もエンターテイナーになりたい!」と小さなこどもが夢見るように密かに計画を企てていた。しかし、何もしないならそれはただの妄想。所詮は夢の夢である。
天満ナチュラル大サーカスは私に、自分で動かななんも動かへんで、と現実を突きつける。この重い重い腰をあげるのは素敵な友人でも天満ナチュラル大サーカスでもない、自分自身だと!